占い

風山漸

ふうざんぜん

意味

風山漸は、中国の古典『易経』の第53卦で、準備を重ねながら段階的に進むことを象徴します。漸(ぜん)は、少しずつ進むという意味です。成長や関係づくりに必要な時間と手順を考える卦です。

解説

卦(か)は、六本の線を重ねた図形です。風山漸では、山を表す艮(ごん)の三本を下に、風を表す巽(そん)の三本を上に置きます。中央が切れた線が陰、切れ目のない線が陽です。六本は下から陰・陰・陽・陰・陽・陽の順に並びます。

巽には、風に加えて木の象徴もあります。図形から行動への教えを導く『象伝』(しょうでん)は、この配置を山の上の木として捉えます。木の姿に重ねるのは、自分の行いを良くし、人々の習慣も改善していくという教えです。注釈では、木が大きくなるまでにかかる時間を、人の成長や習慣の変化に必要な時間と結び付けています。

卦全体に付く文を卦辞(かじ)と呼びます。漸の卦辞が吉とするのは、女性が嫁ぐことです。婚姻を結ぶまでの手順を、順序を踏んで進む例と捉えるのが伝統的な解釈です。現在の関係づくりに重ねるなら、当事者双方の意思を確かめ、生活の準備や約束を一つずつ話し合う過程が考えられます。結婚の成立や時期を保証する意味ではありません。

六本それぞれに付く文が爻辞(こうじ)です。漸の爻辞には、鴻(こう)と呼ばれる雁(がん)が繰り返し登場します。雁はここで、段階的な移動を表す鳥です。爻ごとに水辺や岩、木などへ移り、岩の上で落ち着いて飲食する場面も、争いに備える場面もあります。こうした吉凶の違いを踏まえると、漸の前進には、途中の困難に応じて進み方を考える慎重さも必要だと解釈できます。

たとえば、共同で催しを開くなら、まず企画の目的を話し合い、担当する作業を決め、その後に準備日程を組む方法が考えられます。担当が決まらなければ、日程を確定する前に役割分担の話へ戻ります。これは、順序を踏むという教えを現代の計画づくりへ応用した例です。次へ進む条件が見えると、待つ間に何を準備するかも決めやすくなります。