象徴

エリクシル

えりくしる

意味

エリクシルは、錬金術で金属を金や銀へ変成させる作用物、または身体を治療・延命すると考えられた調製物を指す語です。賢者の石、粉末、チンキ、第五元素と重なる場合があり、文献ごとに複数の形と役割を持ちます。

解説

中世・近世の文献では、金属用のエリクシルと医薬用のエリクシルが別々に論じられる一方、両方の効力を一つの調製物へ求める例もあります。14世紀のヨハネス・デ・ルペシッサは、ワインを蒸留して得る酒精を第五元素と結び付け、薬の効力を引き出す媒体として論じました。後の文献では、この第五元素がエリクシルや賢者の石と結び付けられました。

少量の作用物が大きな変化を起こすという像から、計画全体を動かす決定条件や、複数の作業に共通する改善点の象徴へ広げられます。これは歴史的な効力観から導く現代の読みです。万能治療や延命の主張は当時の自然哲学・医学に属する考えです。飲用や治療の可否は、成分表示、毒性、用量、現代の医療・食品基準から判断します。歴史処方を調べる目的は、当時の物質観と技術上の狙いを明らかにすることにあります。