象徴

トリア・プリマ

とりあぷりま 別名:Tria prima・三原理・三つの第一原理

意味

トリア・プリマは、16世紀の医師・錬金術師パラケルススとその系統が、物質の性質を硫黄、水銀、塩の三原理で説明した考え方です。この三つは、燃焼、変化、固定といった物質の働きを表す理論上の名称で、現代化学の元素分類とは異なります。

解説

硫黄は燃えやすさ、水銀は流動性や揮発性、塩は固さや燃え残る性質を表しました。たとえば物質を加熱した時、燃える部分を硫黄、蒸気となって移る部分を水銀、灰として残る部分を塩の原理で説明します。三つの割合や現れ方が異なることで、物質ごとの性質が生まれると考えられていました。

トリア・プリマと、古代以来の火、空気、水、土という四元素は役割が異なります。パラケルスス派では二つの体系を併用する場合があり、三原理を実験で分離できる性質、四元素を物質が存在する基盤として区別しました。硫黄、水銀、塩という名は、身近な物質に加え、燃焼、変化、固定といった性質も指しています。

後世の錬金術や神秘思想では、三原理を魂、精神、身体などに対応させる解釈も広まりました。ただし、対応の順序や意味は文献によって異なるため、一つの表だけで決めることはできません。現代化学では物質を三原理で分類しないので、トリア・プリマは16世紀以後の自然観と象徴体系を理解するための歴史的概念です。実物の水銀や硫黄には毒性や火災の危険があり、象徴上の名称と実際の物質は分けて考える必要があります。