象徴

錬金術の塩

れんきんじゅつのしお

意味

錬金術の塩は、16世紀以後のパラケルスス派が硫黄・水銀と並べたトリア・プリマ(三原理)の一つで、加熱後にも残る固さ、固定性、非揮発性を表す理論上の名称です。歴史的用法は食塩や岩塩より広く、理論上の性質と実験材料の両方に及びます。

解説

パラケルススは物を燃やす例で、燃える部分を硫黄、煙となる部分を水銀、灰になる部分を塩として説明しました。ここでの塩は、分離後に固定した残留物として現れる性質の名称で、灰の成分は出発材料と操作によって変わります。後のパラケルスス派では味などの感覚的性質とも結び付けられ、用法は著者ごとに広がりました。

残って形を保つ性質から、決定事項を記録する、日程や担当を固定する、生活を支える条件を維持するといった定着の象徴へ応用できます。身体との対応は後世の象徴体系に属します。現代化学の塩は陽イオンと陰イオンから成る化合物で、食塩はその一例です。古い処方に出る「塩」は、物質名と危険性を特定してから判断します。成分不明の材料は再現実験の対象外です。