神話
アンタイオス
あんたいおす意味
アンタイオスは、古代の物語でリビアを治め、訪れた旅人に格闘を強いて殺した巨人です。ヘスペリデスの黄金の林檎を求めて旅をするヘラクレスと戦い、地面から持ち上げられたまま倒されました。
解説
アポロドロスは、アンタイオスをポセイドンの子で、リビアの支配者だったと記しています。旅人に格闘を挑んでは殺していたところへヘラクレスが来て、二人は組み合いました。この対決は、ヘラクレスが黄金の林檎を取りに向かう途中に起きた出来事です。十二の難業の達成数には加えられていません。
アンタイオスは地面に触れるたびに力を増したため、ヘラクレスは相手を抱えて持ち上げ、地面から離したまま締めつけて倒します。アポロドロスは、この性質を理由に、アンタイオスを大地の子とする説もあったと続けました。父をポセイドン、母を大地の女神ガイアとする説明が広く見られるのは、こうした異なる記述が重なったためです。
ただし、ディオドロスはアンタイオスの格闘の強さと死を語る一方、地面から力を得る仕組みには触れていません。後代のフィロストラトスは、大地が倒れた息子を起こそうとする場面を描写し、美術でもヘラクレスが巨人を持ち上げる構図が繰り返されました。地面との接触を「地の元素」へ直接結びつける読みは現代の象徴解釈であり、古代資料に記された設定そのものとは分けて考える必要があります。