占星術

アンタレス

あんたれす 別名:Antares

意味

アンタレスは、さそり座α星Aに付けられた固有名です。さそりの胴の中央で赤く輝く超巨星で、国際天文学連合(IAU)の一覧では実視等級1.06とされています。

解説

主星AはM1.5Iab型の赤色超巨星で、B2V型の青白い伴星Bと対を成します。超巨星とは、大質量星が進化して半径と光度を大きくした段階です。肉眼で目立つ赤い光は主星の低い表面温度によるもので、伴星は望遠鏡による観測で分けられます。

Antaresは古代ギリシャ語で「アレスに似る」という意味の名です。アレスはローマ神話のマルス、すなわち惑星の火星に対応し、星の赤い色が火星に似て見えることから名付けられました。「火星に対抗するもの」とだけ訳すと、色の比較から生まれた名前だと分かりにくくなります。

プトレマイオスの『テトラビブロス』は、アンタレスを赤く明るい星と記し、火星に似て木星の性質もいくらか持つと分類しています。ここでは観測できる赤い色と、古典占星術上の惑星分類が同じ箇所に記されていますが、前者は星の物理的特徴、後者は占術上の解釈です。後世の「勝利」や「危険」という説明は、この二つを分けたうえで典拠を確かめる必要があります。