ハーブ
トチノキ
とちのき 別名:Aesculus turbinata意味
トチノキは、日本原産のムクロジ科の樹木で、秋に葉を落とします。山の谷間などに育ち、山村では種子を加工して食料に、木材を器や家具の材料に利用してきました。
解説
一枚の葉は、小葉と呼ばれる5枚か7枚の葉片に分かれています。手の指のように広がるこの形が、掌状複葉(しょうじょうふくよう)です。秋に熟す果実は厚い皮が裂け、中から光沢のある茶色の種子が出てきます。栃の実と呼ばれるのは、この種子です。
栃の実は苦みが強く、毒性もあるため、そのままでは食べられません。食用にするには、あく抜きという加工で苦みや有害な成分を減らす必要があります。栃餅(とちもち)は、あく抜きを済ませた種子をもち米と合わせてつくる餅で、山村に伝わる加工技術から生まれました。
米や麦を十分に収穫できなかった山村では、栃の実も食料を補う資源でした。京都の山間部では、作物が不作になった時に備える食料としても蓄えられてきました。綾部市古屋地区では、種子の皮むきや栃餅づくりを次の世代に伝える活動が続いています。
木材は比較的軟らかく加工しやすいため、家具や器の材料に向いています。漆器の木地(きじ)、つまり漆を塗る前の器の本体にも利用されてきました。