占い

沢山咸

たくざんかん

意味

沢山咸は、中国の古典『易経』の第31卦で、人が互いの言動に心を動かされ、影響し合うことを象徴します。この関係を感応(かんのう)と呼び、恋愛や協力の場面で、相手の言葉や反応を受け止める姿勢へつなげる卦です。

解説

卦(か)は、六本の線を重ねた図形です。沢山咸という名は、山を表す艮(ごん)を下に、沢を表す兌(だ)を上に重ねる組合せに由来します。艮と兌はそれぞれ三本の線からなり、中央が切れた線が陰、切れ目のない線が陽です。六本を下から順にたどると、陰・陰・陽・陽・陽・陰と並んでいます。

卦全体に付く卦辞(かじ)には、正しさを守ることがよい結果につながるという勧めと、婚姻をよいものとする言葉があります。その意味を解説する『彖伝』(たんでん)は、咸を「感じること」と説明し、互いに影響を与え合う関係に結び付けています。恋愛の卦とされる背景には、こうした古典の言葉があるのです。

各線に付く爻辞(こうじ)には、足の親指やふくらはぎ、もも、背中、頬や舌など、身体の部分が登場します。そのうち下から二番目は、ふくらはぎを動かす場面に警告を添え、とどまる選択を勧める文です。最上段の頬や舌については、図形と各線を解説する『象伝』(しょうでん)が、口数ばかり多くなることを戒めます。相手に心が動くことと、すぐに行動することを分けて考えるための記述です。

同じ『象伝』の卦全体の解説は、山の上に沢がある姿から、心を開いて人を受け入れる姿勢を説いています。原文の「虚」(きょ)は、相手の考えを受け入れられるよう、自分の思い込みをいったん脇に置くことに当たります。自分が相手へ及ぼす影響とともに、相手から学ぶ姿勢も大切にした解釈です。

現代の人間関係に当てはめるなら、何かに誘う時に相手の希望を聞き、返答に合わせて予定や距離を調整する例が考えられます。占いの結果から、相手の好意や同意を確かめることはできません。返答は本人の言葉で確かめ、断られた場合はその意思を尊重することが大切です。