神話
エタナ
えたな 別名:Etana意味
エタナは、アッカド語の『エタナ叙事詩』で、子を得るため「誕生の植物」を求め、鷲の背で天へ昇るキシュ王です。彼は傷ついた鷲を助け、その返礼として空の旅に出ます。現存する粘土板は結末が欠けているため、植物を持ち帰ったかどうかは分かりません。
解説
物語の冒頭では、神々がキシュの王権を整え、羊飼いエタナを王に選びます。エタナは後継者を得られず、太陽神シャマシュへ誕生の植物を求めました。古い王名表にも、エタナは天へ昇った羊飼いの王として記されます。王位を継ぐ子を求める願いと、神々から与えられる王権が物語の出発点です。
途中には、一本の木の梢と根元に住んだ鷲と蛇の物語が入ります。二匹は互いの子を養う誓いをシャマシュの前で立てますが、鷲は約束を破って蛇の子を食べました。蛇はシャマシュの助言で牛の死骸に隠れ、近づいた鷲の翼を傷つけて穴へ落とします。鷲が負った傷は、破られた誓いへの罰として語られています。
シャマシュはエタナに穴の場所を教え、エタナは鷲へ食物を与えて飛べるまで世話をします。回復した鷲は、誕生の植物を求めるエタナを背に乗せ、神々のいる天へ向かいました。飛行中、鷲は地上を見下ろすよう促し、大地と海が次第に小さく見える様子を段階的に伝えます。到着後の書板が欠けているため、願いが実現したという結論は本文から確かめられません。
アッカド時代の円筒印章には、鷲に乗る人物と、地上から見上げる羊飼いや犬を刻んだ作品があります。大英博物館の印章89767とモルガン・ライブラリーの印章236は、エタナの昇天を表す作例です。地上の人物が飛翔する者を見上げる構図によって、空へ離れていく動きが限られた印面に示されました。現代の象徴解釈として、このサイトでは助けた相手との協力、遠い目的へ進む勇気、結末を保証できない挑戦を考える題材とします。