神話

ネルガル

ねるがる 別名:Nergal・Nerigal

意味

ネルガルは、戦争や疫病による死と冥界に関係し、都市クタを主要な祭祀地としたメソポタミアの神です。古くはメスラムタエアと結びつき、後にはエッラと同一視されました。エレシュキガルとの結婚、火星との対応は、長い信仰の歴史の中で加わった関係です。

解説

ネルガルが表すのは、戦闘や疫病によって外からもたらされる死です。王の碑文では戦場へ同行して敵を倒す神として呼ばれ、病や破壊をもたらす「七柱の神々」などの力も従えます。主な祭祀地クタでは、早い時期の冥界神メスラムタエアが祭られていました。ウル第三王朝期にはネルガルの名が現れ、古バビロニア期以降、戦いと疫病の神エッラとの同一視が進みます。

病や魔的な力を支配することは、それらを遠ざける力にもなりました。『エッラ叙事詩』を書いた板は家を守る護符として使われ、後期バビロニアの防護像にもネルガルが表されます。危険をもたらす側面と、同じ危険を抑える側面は別々の神ではありません。古代の祈りや護符が示すのは当時の防護観であり、現代の病気や災害の原因を説明するものではありません。

冥界の女王エレシュキガルをネルガルの妻とする関係は、信仰の初めから一貫していたわけではありません。『ネルガルとエレシュキガル』では、エレシュキガルがすでに冥界を治め、使者ナムタルを侮辱したネルガルが謝罪のため冥界へ向かいます。物語の展開や結末には異なる版がありますが、後代には二神が冥界を共同統治する組み合わせが定着しました。北方の女王と南方の冥界神を結ぶ物語だとする説明は、複数の伝統を調整したという研究上の解釈です。

美術では、曲刀または棍棒を持つ男性像、双頭の獅子を付けた棍棒、牡牛などがネルガルに結びつきます。ただし、武器を持つ人物だけで神名を確定することはできず、銘文や周囲の標章との照合が必要です。前一千年紀の天文学資料では火星にも対応しました。現代の象徴解釈として、このサイトでは抑えにくい攻撃性、集団へ広がる損害、危険な力を防護へ転じる責任を考える題材とします。ネルガルの名から個人の病気、事故、死を予告することはできません。