神話
エレシュキガル
えれしゅきがる意味
エレシュキガルは、古代メソポタミアの神話で、死者が暮らす地下世界「冥界」を治める女神です。名は「大いなる大地の女主人」を意味します。
解説
シュメール語の物語『イナンナの冥界下り』では、エレシュキガルは女神イナンナの姉です。妹が訪れると、門番に七つの門を一つずつ開くよう命じます。イナンナは門ごとに首飾りなどの装身具や衣を外され、姉の前へ進みました。
イナンナが姉の王座に座ると、七柱の裁判神アヌンナが判決を下し、イナンナは命を失います。ここでは、門番を指揮する女王と、裁きを行う神々の役割が分かれています。
死者と女王の関係を伝える別の作品が、都市ウルの王の死を描く『ウル・ナンムの死』です。冥界へ来た王は、エレシュキガルの宮殿で器や衣を捧げます。女王の命令によって、戦死した兵士たちが王に委ねられる場面もあります。
後の伝承で夫となるのは、戦争や疫病による死に関係する神ネルガルです。『ネルガルとエレシュキガル』には、二神が冥界をともに治めるに至る物語が伝わります。