象徴

四分一

しぶいち 別名:shibuichi・朧銀

意味

四分一は、銅を主成分に銀を加えた日本の伝統的な色金です。銅3に対して銀1という基本配合が名の由来で、煮色着色を施すと銀灰色、茶灰色、青みを帯びた灰色などが現れます。

解説

「四分一」という名称は全体の四分の一を銀とする配合を示しますが、実作の組成には幅があります。銀の割合を変えた合金や、色へ深みを加える目的でごく少量の金を配した作例も知られています。名称は材料を理解する出発点になり、個々の作品では制作記録、材質表示、蛍光X線分析などが組成を確かめる手掛かりです。

四分一も赤銅と同じく、合金を作った後の煮色着色によって色を整えます。着色液で処理すると、銀と銅の割合や金属組織に応じて複数の灰色が生まれます。文化遺産オンラインに掲載された「鍛朧銀四方鉢」は銅75%、銀25%を基本とし、微量の金、表面の荒らし、煮色仕上げを組み合わせて銀灰色を引き出した例です。配合、表面の凹凸、着色工程が重なって最終的な明暗と質感を作ります。

四分一は、十八世紀以降の刀装具で好まれ、鐔、小柄、縁頭などの地金や象嵌材料に使われました。縁頭は刀の柄の両端を補強しながら飾る金具です。銀灰色の地へ金、赤銅、素銅を配すと、彩色料を塗らずに金属だけで風景、動植物、人物の色差を表せます。現在は器、装身具、木目金にも受け継がれています。

四分一の材質判定には、灰色の外観に加えて、裏面や摩耗部の観察、制作技法、来歴、分析結果を使います。銀、銀めっき、別種の銅合金、黒変した金属も似た色を示すためです。古い作品の表面を強く磨くと、意図された着色層と工具痕を失う可能性があります。保存処置は、その灰色が制作時の仕上げ、使用による摩耗、後の腐食のどれに当たるかを整理した上で決める対象です。

銅と銀の比率が抑えた中間色を生むことから、四分一を配分、調整、異なる要素を結ぶ背景の象徴として読むことがあります。この連想は金工材料から導く現代的な比喩です。占いでは、時間、費用、役割をどの割合で配ると目的に近づくか、前へ出る要素と背景へ回す要素をどう決めるか、混ざり合った状況をどの資料で確かめるかへ問いを進められます。