神話
フロラ
ふろら 別名:Flora意味
フロラは、古代ローマで花と植物の開花を司った女神です。春の祝祭フロラリアはフロラを祭る行事で、花が咲く時期を、穀物や果実が実る前の大切な段階として祝いました。
解説
オウィディウスの『祭暦』は、フロラリアを4月から5月へ続く祝祭として描き、劇場と競技場の催し、色とりどりの衣服、花冠に触れています。紀元前41年のローマ共和政期の貨幣にも、花を添えたフロラの頭部が刻まれました。祝祭の文章と当時の貨幣は、フロラが花と公的に結び付けられていたことを別々の形で伝えます。
同じ『祭暦』では、フロラ自身が、かつてはギリシャ名のクロリスだったと語ります。西風の神ゼピュロスに追われ、その後に妻となり、花を支配する庭を与えられたという筋です。これはローマの祭日の由来を説明するオウィディウスの詩です。フロラ信仰の起源を証明する史料としては不足しています。
フロラが守るのは、実ができる前の開花です。果樹と栽培を司るポモナ、穀物を司るケレスとは、植物に関わる点が共通していても役割が異なります。花を美しさだけの象徴にすると、このあとに受粉や結実が続くという農業上の意味を取りこぼします。
占いや創作でフロラを参照するなら、始まったばかりの成長、成果になる前の準備、季節に合う行動といった連想が考えられます。いずれも花と開花の役割から広げた現代的な読みで、古代人が同じ意味で占ったとする資料は未確認です。実際の計画では、芽が出た段階なのか、手入れや待つ時間が必要なのかを具体的に確かめます。