象徴

黒色

くろいろ

意味

黒色は、赤や青などの色みを持たず、明るさが低く見える色です。喪服に用いられる一方、古代エジプトでは作物を育てる土とも結び付けられ、時代や文化によって象徴する内容が変わります。

解説

絵の具の黒には、木炭や、物が燃えるときに生じる黒い粒子の煤などが使われてきました。こうした色を付ける粉状の材料を顔料と呼びます。同じ黒い面でも、照明や周囲の色によって見え方が変わるため、材料の名前と目に映る色は区別が必要です。

19世紀の英国では、身近な人の死を悼む服として、黒い喪服を着る習慣が広まりました。英国のヴィクトリア女王も、夫を亡くした後は喪服を着続けました。この習慣の中で、黒は着る人が喪に服していることを周囲へ伝える色になったのです。

古代エジプトでは、ナイル川が運ぶ泥の積もった土が黒と結び付けられました。作物を育てる土地を表すと同時に、黒は死者の世界にも関係する色です。その世界を治める神オシリスにも黒が用いられ、豊かな大地とのつながりを表しました。黒が何を象徴するかは、土や神、衣服といった、色を与えられた対象から考えられます。

タロットでも、「服が黒い」という絵の描写と、「喪を表す」という解釈は別の段階です。喪の意味を考えるなら、服の形や人物の動作に加え、その絵が作られた地域の習慣が判断材料になります。黒い背景や動物の毛色にも同じ意味があるとは限らず、色だけで人物の善悪や占いの吉凶を決める根拠にはできません。