タロット

エッティラ版タロット

えってぃらばんたろっと 別名:Etteilla Tarot・Grand Etteilla・グラン・エッティラ

意味

エッティラ版タロットは、18世紀末にエッティラが占い用として再編した78枚のタロットと、その後継版を含むデッキ系統です。番号、名称、配列、図像がマルセイユ版やウェイト=スミス版と異なります。

解説

エッティラは、ジャン=バティスト・アリエットが用いた筆名です。1783年から1785年に全4巻のタロット占術書を刊行し、1789年ごろには占い用として設計された早い時期のタロットを世に出しました。1793年のドイツ語版も現存し、78枚の構成と独自の番号、図像、名称が確認できます。

ウェルカム・コレクション所蔵の同時代資料には、カードを「トートの書」と呼び、古代エジプトのメンフィス神殿へ結び付ける表題があります。これはエッティラ系の思想と自己説明を伝える史料です。一方、現存する初期タロットは15世紀イタリアの遊戯札にさかのぼります。エジプトとの結び付きは占術史上の影響力を持つ起源説として位置付け、確認できるカード史と分けて説明します。

エッティラ版は、複数の後継版を含むデッキ系統の総称です。大英博物館には1843年から1856年の一組と、1872年から1890年の解説冊子付きの一組があり、版によって図像や占い用の表題にも差があります。「グラン・エッティラ」と書かれた製品でも、刊行者と年代を確かめると、どの系統の説明を参照すべきか判断しやすくなります。

実占で先に記録する項目は、カードの番号、印刷された名称、向き、付属解説の四点です。ウェイト=スミス版の番号や意味をそのまま当てはめると対応がずれるため、使用中のエッティラ系デッキに付属する表を基準にします。複数の版を比較する時も、同じ番号、同じ名称、似た図像のどれを比べているかを明示すると、歴史上の違いと占いの判断を混同せずに済みます。