神話
テュケ
てゅけ 別名:Tyche意味
テュケは、古代ギリシャで人や都市の運、偶然による成り行きを神格化した女神です。テュケが表す運は、人の予想を越えて状況を好転させることも、悪化させることもあります。系譜や姿は、文献と地域によって異なります。
解説
ヘシオドスの『神統記』では、テュケはオケアノスとテテュスの娘たちであるオケアニデスの一人です。ピンダロスの『オリュンピア祝勝歌』第12歌では、「解放者ゼウス」の娘としてテュケを呼び、ヒメラ市の守護を願います。同じ歌で彼女のもとに置かれるのは、船、戦争、評議と、揺れ動く人々の期待です。二つの資料が伝える系譜は異なるため、父母を説明する際は根拠とした資料名を添えます。
テュケ像の図像には複数の型があります。パウサニアスの記録にあるのは、彫刻家ブパロスが頭にポロスという円筒形の冠を載せ、アマルテイアの角を持たせた姿です。都市の守護神として表された像では、市壁をかたどった城壁冠も確認できます。別の彫像は、果実を満たした豊穣の角や船を操る舵を手にしており、持物の組み合わせは作品ごとに異なる構成です。これらの要素が、個々の像を見分ける手掛かりになります。
占いでテュケを参照する時は、自分で決められない条件と、その中で選べる対応を分けることが第一です。現実の結果は、抽選結果や契約条件などの資料で確かめます。日程変更、景気、他者の判断など制御できない要素を先に書き出し、利用できる資源、連絡期限、代替案を続けて検討します。テュケ、ローマのフォルトゥナ、タロットの運命の輪はそれぞれ別の存在です。後世に共有された「移り変わる運」という主題が、三者を関係づけています。