象徴

入梅

にゅうばい

意味

入梅は、暦の上で梅雨の季節に入る目安を示す雑節です。現在は太陽の黄経が80度になる日と定められ、毎年6月11日ごろに当たります。気象庁が地域ごとに発表する実際の梅雨入りとは別のものです。

解説

雑節とは、二十四節気を補う日本の季節の目印です。入梅は夏至の約10日前に置かれ、農作業や暮らしの中で長雨に備える時期を知らせてきました。国立天文台の暦要項では、太陽黄経が80度になる時刻を計算し、その日を入梅として掲載しています。

入梅の決め方は、歴史の中で変わりました。国立天文台の資料によると、貞享三年暦以後は芒種に入って最初の「壬」の日を用いる方法が広まりました。壬は「みずのえ」と読み、日を十種類の干で数える十干の一つです。その後、明治9年暦から太陽黄経80度を基準とする現在の方法へ移りました。古い暦や文学に出てくる入梅を調べる時は、当時の決め方を考慮する必要があります。

気象庁の梅雨入りは、雨や曇りが増え、日照時間が少なくなる時期を地域ごとに判断したものです。天候は年と地域によって異なるため、暦上の入梅と同じ日になるとは限りません。梅雨入りには数日ほどの移り変わりがあり、速報値が後から確定値へ修正されることもあります。日々の天候や防災については、暦の日付だけで判断せず、気象庁や自治体の最新情報を利用することが大切です。