象徴

十干・乙

じっかんおつ 別名:乙・きのと

意味

十干・乙は、十干の第二位で、木の陰に配当される「きのと」です。干支では、年・月・日・時刻を表す天干の一つになります。曲がりながら伸びる草木や柔軟さという見方は、古い季節観を手掛かりに命理が展開した比喩です。

解説

六十干支の第二番は乙丑です。乙はそこから十組ごとに現れ、六十組の中で六つの地支と組み合わさります。命式では四つの柱のどこにでも入り、日柱の天干にあれば乙が日主です。同じ乙でも、年柱にある場合と日主になる場合では読み取る対象が異なります。暦の配当規則から四柱を確定し、乙が置かれた位置を把握することが解釈の出発点です。

日を順に示す十干へ陰陽五行が重なると、乙は木の陰に分類され、日本語では木の弟から「きのと」と読まれるようになりました。『説文解字』の乙条は、春に草木が曲がりながら地上へ出る姿と結び付け、甲に続く段階として説明します。これは漢代の字書に記された季節的な見方です。字の成り立ちは他の資料と照合し、乙を持つ人の性質は命式全体と本人の経験から判断します。

『滴天髄』は、乙を枝葉や花にたとえた陰の木として論じます。その働きは、季節、火、金、水分、甲との関係に応じて変わるという立場です。つる草、調整、しなやかな成長といった連想は、周囲との結び付きを考えるために使われる占術上の言葉です。対人関係や適性を読む場合は、命式全体の配置と、本人が選んだ行動や置かれた環境を照らし合わせます。