象徴
表色系
ひょうしょくけい 別名:color system・colour system・色体系意味
表色系とは、色を一定の規則と記号または数値で指定し、比較できるようにする仕組みの総称です。色票を属性順に並べるマンセル表色系と、測色値を計算するCIE XYZ・CIELABでは役割が異なります。
解説
CIEのいう色順序体系は、色試料を定めた尺度と記号に沿って配列する仕組みです。代表例のマンセル表色系では、物体色を色相、明度、クロマの三属性で並べ、H V/Cの形式で記載します。色票を見比べながら、目標色と試料の差がどの属性にあるかをたどれる点が実務上の利点です。ASTM D1535は、昼光下で正常色覚の観察者が見る不透明な物体を適用対象とし、分光測定を用いるCIE方式との変換も規定しています。
CIE XYZ表色系は、標準観察者の等色関数を通して色刺激をX、Y、Zの三刺激値へまとめる標準測色体系です。CIELABでは、指定した基準白色に対するXYZ値からL*、a*、b*を計算し、明度、クロマ、色相の対応量や色差として読み取れます。いずれも観察者の色合わせ特性を標準化した仕組みですが、CIELABはXYZを基礎にした色空間です。この計算は、標準観察者に対応する色刺激を対象とします。色票を属性順に並べる体系と、測定値から座標を求める体系を区別すれば、数値の由来を追いやすくなります。
選び方は目的から決まります。現場で実物の表面色を色票と照合するならマンセル表記、分光反射率や光の分光分布から機器間で色刺激を比較するならCIE XYZ、物体色の色差を明度・クロマ・色相の方向へ分けるならCIELABが候補です。測色値にはイルミナント、標準観察者、観察幾何、基準白色を添え、画面では色空間と白色点、輝度条件も記録します。同じ「5YR」や「L* 60」という記号を正確に戻すには、所属する体系と条件が必要です。
色名は、表色系の座標とは別の伝達方法です。JIS Z 8102は、鉱工業製品の物体色のうち、特に表面色の色名を規定しています。色名は日常的な共有に向き、表色系の記号や測色値は色の位置と比較条件を詳しく残す役割を担います。顔料名、素材、光沢、好み、象徴は別欄に記録する情報です。カードや図版では、まず使用した体系と条件を明らかにして色を記述し、描かれた対象と制作年代の資料から文化的な意味を検討します。