象徴
マンセル表色系
まんせるひょうしょくけい 別名:Munsell color system・Munsell colour system・マンセル色体系意味
マンセル表色系とは、物体色を色相(Hue)、明度(Value)、クロマ(Chroma)の三属性で並べ、H V/Cの形式で記す色順序体系です。色票との目視照合や、CIE測色値との対応付けに使われます。
解説
画家で教育者のアルバート・H・マンセルは、1905年刊行の『A Color Notation』で、色を色相、明度、クロマの測定可能な尺度として整理する考えを示しました。現在のCIE用語で色順序体系とは、色試料を定めた配列原理と記号に沿って並べる体系です。マンセル表色系は、知覚上の三属性を立体的な色票配置へ結び付けます。分光測定から三刺激値を求めるCIE測色系とは役割が異なり、ASTM D1535は色票を用いる視覚的方法とCIEデータからの変換を規定しています。
表記はH V/Cの順です。たとえば5YR 4/6は、5YRが黄と赤の間にある色相、4が明度、6がクロマという内訳です。明度は中央の無彩色軸に沿って黒の0から白の10へ進み、クロマは軸から離れるほど色みが強くなります。到達できる最大クロマは色相と明度によって変わるため、外形に凹凸のある色立体です。一つの数値列を三属性へ戻すと、似た色の差がどの方向にあるかを追えます。
現在使われるマンセル値には、実物の色票と測色値を結ぶ研究の積み重ねがあります。1943年のKellyらは421枚の基準色票の分光反射率を測り、複数のイルミナントについてCIE三刺激値を算出しました。同年のNewhallらは視覚実験を基に三属性の間隔を改訂し、修正マンセル色立体を当時のICI座標とイルミナントCで定義しています。この改訂は、色票上の順序と測色値を相互に参照する基盤となりました。マンセル表記が伝える情報は、指定した色の三属性上の位置です。
土壌調査の基本は、試料をマンセル土色帳の色票と見比べ、色相、明度、クロマを記録することです。塗装や製品管理では、目標色と許容差の共有にも色票が使われます。照明、観察者、試料の乾湿、表面状態をそろえることが、照合結果の再現性を支える条件です。マンセル記号が示すのは色の位置であり、素材名、顔料、光沢、文化的な意味は別の情報です。図版の象徴は、三属性の観察記録を作った後、描かれた対象と歴史的用途から検討します。