哲学・心理

言い換え技法

いいかえぎほう 別名:paraphrasing・paraphrase skill・言い換えの応答

意味

言い換え技法とは、相談者が話した事実や考えの要点を、意味を足さない短い言葉で返し、理解が合っているかを確かめる聞き方です。相談者は聞き手の受け取り方を直し、自分の考えをさらに言葉にできます。

解説

言い換える時は、一つの発言から中心となる内容を選び、話し手が使った意味の強さを保って、聞き手自身の言葉へまとめます。その後に「こう受け取りましたが、合っていますか?」と尋ね、本人の訂正や補足を待つ流れです。元の言葉をそのまま繰り返す応答は発言を受け止める合図になり、言い換えは内容を理解したか試す役割を担います。

たとえば「同僚に頼まれると断れなくて、今週も毎日残業になった」と聞いた場合、「頼まれるたびに引き受け、休む時間が減っているのですね」と返せます。本人が述べた出来事と影響を短く結ぶ応答です。「嫌われるのが怖いのですね」と返すと、語られていない動機を加えることになります。その読みが浮かんだ時は、断定する前に「断りにくい時、どんなことが気になりますか?」と本人の言葉を聞く順序が適しています。

タロット相談では、最初に「転職すべきか」などの依頼を、相談者が今日考えたい選択肢へ言い換えて確かめます。カードを開いた後は、人物の姿勢、持ち物、背景など目で確かめられる図像を先に示します。「足が止まっているように見えるため、決断を急がず条件を比べる時期と読みました」の後半は占術上の解釈です。その意味が相談者の状況に合うかを尋ねれば、相談者の発言、図像上の事実、占い手の読みを分けた対話になります。

積極的傾聴は、言葉、感情、非言語の手掛かりへ注意を向け、理解を返して確かめる聞き方全体を指します。言い換え技法は、その中で発言の内容を短く返す一つの応答です。要約技法は複数の発言や一定時間の話をまとめ、明確化技法は意味が分かれる語や時系列を本人へ尋ねてそろえます。扱う範囲と問いの有無を見れば、三つの応答を使い分けられます。