象徴
均衡
きんこう 別名:equilibrium・balance・平衡意味
均衡は、複数の力や流れが、定めた基準のもとで釣り合う状態です。均衡を判断するには、外見の左右対称性や量の等しさに加え、何が変化せず保たれているかを示す必要があります。
解説
物理学では、物体に働く外力の合計がゼロなら、静止した物体は静止を保ち、動いている物体は一定の速度で進みます。前者は静的な均衡、後者は動的な均衡です。ただし、広がりを持つ物体では回転も考える必要があります。外力が釣り合っていても、回転させる働きであるトルクの合計が残れば物体は回り始めるため、力とトルクのどちらを釣り合わせるかで条件が変わります。
化学平衡は、変化が続いていても全体として一定に見える例です。可逆反応では、正方向と逆方向の反応速度が等しくなると、観測できる組成は時間とともに変わらなくなります。この時も分子レベルでは反応が続いており、反対向きの過程が同じ速さで進む状態が均衡に当たります。
日常語の均衡を調べる時も、基準を明確にする必要があります。収入と支出が一か月で釣り合うこと、仕事と休息に使う時間を一週間で配分すること、発言の機会を一定の規則で割り当てることでは、測る量も期間も異なります。また、数量が等しいことと、公正であることは別の判断です。必要量や責任が違う場面では、同じ配分が不当になる場合があります。基準、期間、許容する差を先に示すと、見た目の対称性と実際の均衡を分けられます。
天秤は、重さの比較から均衡を目で示す道具であり、西洋の正義像にも用いられてきました。ライダー・ウェイト・スミス版の「正義」には、二本の柱の間に座る人物、剣、天秤が描かれています。ここまでが図像として観察できる事実です。ウェイトは解説でこのカードを各人の行為に応じて配する道徳原理と結び付け、占術上の意味に公正や正しさを挙げました。図像に天秤があることと、その天秤を倫理的な均衡として読むことは分けて記述できます。
タロットで均衡を読む時は、まず「何と何を、どの期間で釣り合わせるのか」を質問へ戻します。仕事と休息なら時間、共同生活の負担なら作業量や頻度、判断なら採用した基準と例外を書き出す方法です。カードの左右対称な構図や天秤は均衡を考えるきっかけになりますが、現実の配分が公平かどうかは配分量や必要性などの資料から判断します。さらに、どちらを増やし、どちらを減らすと基準へ近づくかまで定めると、象徴を具体的な選択へ結び付けられます。