石

液体包有物

えきたいほうゆうぶつ 別名:Fluid inclusion・流体包有物・液相包有物

意味

液体包有物は、結晶内部の微細な空洞に、成長時または亀裂が閉じる時の流体が封じ込められた内部特徴です。液体のほか、気泡や結晶を伴う例があり、形成時の流体、温度、塩分、成長後の流体移動を調べる資料になります。記憶、保存、内側の環境という意味は、過去の流体を内部に残す姿に基づく象徴解釈です。

解説

液体包有物という名称には「液体」とありますが、内部には気泡や固体結晶も存在します。物理的に区別できる液体、気体、固体の各部分を「相」と呼び、液体だけなら一相、液体と気泡なら二相、液体、気泡、固体結晶がそろえば三相という区分です。結晶が冷える途中で溶けていた気体が泡になったり、成分が娘結晶として析出したりする例があります。

結晶が成長している時に取り込まれたものが一次包有物です。成長後に亀裂へ流体が入り、亀裂が閉じて残った列は二次包有物に当たります。成長が終わる前に生じた亀裂へ並ぶものは擬二次包有物です。成長帯に沿うか、成長帯を横切る閉じた亀裂に沿うかを観察すると、取り込まれた時期を考える手掛かりになります。

研究では、包有物の形、相の数、並び方を顕微鏡で記録し、加熱と冷却による相変化を測るマイクロサーモメトリーを行います。気泡が液体と一つになる均質化温度や氷の融解温度は、捕獲時の温度条件と塩分濃度を推定する手掛かりです。さらにラマン分光などを加え、液体、気体、固体の成分を調べます。

測定値を形成条件へ結び付けるには、同じ時期にできた包有物の集まりと周囲の鉱物を一緒に調べます。包有物は捕獲後に漏れたり、加熱や圧力変化で伸びたり、内部の相が変化したりする場合があります。正確な形成温度、産地、処理の有無を決めるには、包有物群の位置関係、周囲の鉱物、複数の測定結果が必要です。

宝石鑑別では、液体包有物の形、相、配列が天然・合成、加熱、形成環境、産地を考える資料になります。コロンビア産エメラルドに多い不規則な三相包有物や、再び閉じた亀裂に並ぶ指紋状の二次包有物が代表例です。似た特徴が別の産地や石にも現れるため、屈折率、成長模様、固体包有物、分光分析、化学組成と照合します。

タロットでは、空洞の形、気泡、固体結晶、成長帯や亀裂に沿う並びを図像上または観察上の事実として記録できます。それらを記憶、保存、内側の環境へ結び付ける段階は占術上の解釈です。後の判断に残したい出来事は何で、日時、発言、費用のうち記録へ加える項目はどれですか?形成時の流体と相談上の意味を分けると、記憶という言葉を検証できる記録へ移せます。