神話
クリュティエ
くりゅてぃえ意味
クリュティエは、オウィディウスの『変身物語』第4巻で、太陽神ソルを見つめ続け、太陽へ顔を向ける花に変わった女性です。ソルに愛されたレウコトエを父へ告発した後、ソルから拒まれ、地面に根を下ろす結末を迎えます。
解説
物語の中心には、クリュティエ、太陽神ソル、王女レウコトエの三者がいます。クリュティエはソルを愛していましたが、ソルの心はレウコトエへ移りました。クリュティエが二人の関係を父オルカモスに知らせると、父は娘を土へ埋めて殺します。ソルはレウコトエを生き返らせられず、その身体を乳香の木へ変えました。
ソルの愛はクリュティエへ戻りません。クリュティエは九日間、食べ物も水も口にせず、地面に座って空を進むソルだけを目で追いました。やがて身体は土に根付き、顔は花に覆われます。オウィディウスが記したのはスミレに似た花で、変身後も太陽の方向へ向きを変えました。
この花を現代のヒマワリと断定することはできません。ヒマワリはアメリカ大陸で栽培化され、ヨーロッパへ渡ったのは16世紀です。古代本文の花はヘリオトロープと訳されることがあり、後世の美術では太陽を追う姿を示すためヒマワリも使われました。物語には、報われない恋、嫉妬による告発、その告発後も相手の愛が戻らない結末が連続しています。