神話

パエトン

ぱえとん

意味

パエトンは、オウィディウスの『変身物語』第1巻末から第2巻にかけて、太陽神ソルの息子である証を求め、父の太陽車を一日だけ運転する少年です。馬を制御できず大地を焼いたため、最高神ユピテルの雷に撃たれ、エリダヌス川へ落ちます。

解説

発端は、同年代のエパポスから、太陽神の子だという話は母の作り話だと嘲られたことです。パエトンが証を求めると、母クリュメネは太陽を指し、父の宮殿へ行って本人に確かめるよう勧めました。ソルは訪れた少年を息子と認め、疑いを消すため、神々にも破れない冥界のステュクス川への誓いを立てて、望む物を一つ与えると約束します。

パエトンが望んだのは、四頭の馬が引く太陽車を一日運転することでした。ソルはすぐに誓いを悔やみ、急な上りと下り、天空の回転、星座の動物たち、馬の強さを説明します。自分が心配していることこそ父である証だと訴え、別の贈り物を選ぶよう促しました。それでもパエトンは願いを変えず、ソルは進路を示し、高すぎても低すぎても世界を焼くため中ほどを走るよう言い聞かせます。

出発すると、馬たちは御者がいつもより軽いと気付き、決められた道を外れました。巨大な蠍座におびえたパエトンが手綱を落とすと、太陽車は星々の近くと地上すれすれを行き来し、山、森、都市、川を焼きます。大地の女神が救いを求めたため、ユピテルはギリシャ神話のゼウスに当たる最高神として雷を投げ、世界の火を止めるためにパエトンを車から撃ち落としました。

エリダヌス川が遺体を受け止め、川のニンフたちが葬りました。姉妹のヘリアデスは四か月にわたって墓を離れず、木へ変わった後も涙を流し、その滴は琥珀になります。友人キュクノスも水辺で嘆き続け、白鳥へ姿を変えました。太陽車の逸脱と大地の炎は、宇宙の秩序が崩れる神話上の出来事であり、実際の気候や地理の成り立ちを説明する記録ではありません。