神話
ポントス
ぽんとす意味
ポントスは、ヘシオドス『神統記』で大地ガイアが単独で生んだ、海を人格化した原初神です。ガイアとの子であるネレウスらを通じ、海の神々と怪物へ続く系譜の起点になります。
解説
『神統記』では、ガイアが星空のウラノス、山々に続いて、荒波を立てるポントスを単独で生みます。ポントスは、オリュンポス神族が海を治めるより前の宇宙生成に置かれた「海そのもの」の神格です。その物語は、海の誕生と子孫を示す系譜として展開します。
のちにポントスとガイアの間から、誠実な海の老人ネレウス、タウマス、ポルキュス、ケト、エウリュビアが生まれます。ポルキュスとケトの家系はグライアイやゴルゴンへ、ネレウスの家系はネレイデスへ続きました。ヘシオドスはこの系譜を通じて、穏やかな海神から怪物まで、海に関わる多様な存在を同じ祖先へ結びつけています。
海に関わる神名でも、ポントス、オケアノス、ポセイドンは資料上の位置が異なります。オケアノスはガイアとウラノスの子で、世界を巡る大河として語られるティタン神です。偽アポロドロスでは、ポセイドンがティタン神族との戦いの後に海の支配権を得ます。ポントスは海の誕生、オケアノスは世界を囲む流れ、ポセイドンは海を治める神という順に整理すると、三者の関係を追えます。