占星術

イングレス

いんぐれす

意味

イングレスは、天体が黄道十二宮の一つのサインから次のサインへ入ることです。天体が境界を越える正確な時刻を指す場合と、その時刻・場所で作るイングレス図を指す場合があります。

解説

黄道十二宮は黄道を30度ずつに分けた座標です。たとえば火星が牡羊座29度台から牡牛座0度へ進んだ瞬間が、牡牛座へのイングレスにあたります。語源は「入る」を意味するラテン語ingressusです。新しいサインへ入る動きがイングレス、前のサインから出る動きがイーグレスで、同じ境界通過を入る側と出る側から表します。

地球から見た天体は、逆行によって同じサイン境界を複数回通ることがあります。最初の入宮後に前のサインへ戻り、順行へ転じて再び入るという動きです。その場合、最初のイングレス、逆行による退出、再イングレスは別々の時刻になります。占星術では各回の天体位置を計算した上で、一度で完了する移行か、行き来を伴う移行かを読み分けます。

トロピカル方式では、太陽が牡羊座、蟹座、天秤座、山羊座へ入る時刻が、それぞれ春分点、夏至点、秋分点、冬至点に対応します。国家や社会を対象とするマンデン占星術では、特に牡羊座への太陽イングレス時に場所を定めてチャートを作り、天体とハウスの配置をその周期の社会的なテーマへ対応させます。天体が座標の境界を越えることは計算できる位置情報であり、そこから社会や個人の出来事を読む部分は占術上の解釈です。