神話

エリドゥ

えりどぅ

意味

エリドゥは、現在のイラク南部に遺跡が残る古代メソポタミアの都市です。淡水と知恵の神エンキ(別名エア)の信仰の中心地で、王権が最初に置かれたとする伝承もあります。

解説

現在は乾燥した平原にある遺跡ですが、古代のエリドゥは淡水の湿地に面していました。発掘で見つかった日干しれんがの建物は、水辺で営まれた都市生活を伝えます。

エンキの神殿エアブズの名は、「アブズの家」という意味です。アブズは、当時の人々が大地の下にあると考えた淡水域です。アッカド語ではアプスーと呼ばれ、エンキの住まいとされました。

王の名と在位年数を並べた『シュメール王名表』は、王権が天から降り、まずエリドゥに置かれたと語ります。冒頭には数万年に及ぶ在位年数が記され、この部分は王権の始まりを語る神話的な伝承です。

『イナンナとエンキ』では、女神イナンナが、都市生活を支える神的な力や決まり「メ」をエリドゥから都市ウルクへ運びます。大工や書記の技、王権などを携えていくこの物語では、エリドゥが文明の力の源として描かれています。