神話
シドゥリ
しどぅり 別名:Siduri・Shiduri・Šiduri意味
シドゥリは、標準バビロニア版『ギルガメシュ叙事詩』第10書板で、世界を囲む海の岸に酒場を構える女性です。エンキドゥを失い、不死を求めてさまようギルガメシュの話を聞き、ウトナピシュティムの船頭ウルシャナビへ向かう道を教えます。
解説
シドゥリは、壺を置く台や醸造用の容器を備えた酒場に住み、海の向こうへ進もうとする旅人と出会います。やせ衰え、獣皮を着たギルガメシュを見たときは危険を感じ、門を閉ざしました。屋上から問いかけると、ギルガメシュは親友エンキドゥの死と、自分にも死が迫る恐怖を語ります。警戒してから事情を聞く流れであり、初めから彼の正体や目的を知る案内役ではありません。
標準バビロニア版で、シドゥリは人間が自力で海を渡れないことを告げます。そのうえで、遠方に住む洪水の生存者ウトナピシュティムへ近づく手段として、船頭ウルシャナビの居場所を教えました。ギルガメシュは教えられた先でウルシャナビと「石のもの」たちを見つけますが、事情を聞く前に襲いかかり、渡航に必要な道具を壊します。シドゥリの場面は、次の選択肢を示して旅を先へつなぐ中継点です。
有名な「日々の生活を喜ぶ」という助言は、古バビロニア版の断片に詳しく残ります。この版の酒場の女性は、保存部分ではシドゥリという名を持ちません。彼女は永遠の命を探しても見つからないと述べ、食事、清潔な衣服、入浴、家族との日々へ目を向けるよう勧めます。一方、後の標準バビロニア版はシドゥリの名とウルシャナビへの道案内を記しますが、この生活の助言を同じ形では収めていません。二つの版を一続きの台詞として引用しない注意が必要です。
古代本文から確かめられる中心的な役割は、海辺の酒場の主、話を聞く相手、船頭への案内者です。独立した祭祀や、シドゥリだと確定できる古代の標準図像は知られておらず、「酒の女神」という一般化には慎重さが要ります。このサイトが現代の生活へ引き寄せて注目するのは、悲嘆が身体と判断へ及ぼす影響、警戒しながら事情を聞く姿勢、届かない目的を前に日常と次の手段を見直す場面です。いずれも、版ごとの本文を区別した後に加える象徴解釈です。