神話
ギルガメシュ
ぎるがめしゅ 別名:Gilgamesh・Bilgames意味
ギルガメシュは、古代メソポタミアの物語でウルク王として語られ、親友エンキドゥの死をきっかけに不死を探す英雄です。『ギルガメシュ叙事詩』では、人々を苦しめる強い王から、死を避けられない人間の限界と都市を治める責任を知る王へ変わります。
解説
シュメール語ではビルガメシュ、アッカド語ではギルガメシュと呼ばれる、ウルク王の名です。前2千年紀初めに作られた粘土角柱の『シュメール王名表』にも、ウルクの支配者として記録されています。ただし、この王名表は神話・伝説・歴史情報を一つの王権史に組み直した文書です。ギルガメシュと同時代の記録は見つかっておらず、実在した王の生涯を叙事詩の出来事から復元することはできません。
標準バビロニア版の叙事詩は、ギルガメシュが強い身体と知恵を持ちながら、ウルクの人々を苦しめる場面から始まります。人々の訴えを受けた神々は、彼に対抗する存在としてエンキドゥを造りました。二人は格闘の後に友人となり、杉森の番人フンババと天の牡牛を倒します。二度の討伐に神々が裁定を下し、エンキドゥは病に倒れて命を失いました。
親友の死を受け入れられないギルガメシュは、自分にも死が訪れると悟り、永遠の命を得たウトナピシュティムを探す旅へ出ます。ウトナピシュティムは、大洪水を生き延びた後に神々から不死を与えられた人物です。ギルガメシュは眠らずにいる試練に失敗し、海底から得た若返りの植物も帰路で蛇に食べられます。不死も植物も持ち帰れないままウルクへ戻り、物語は彼が城壁を船頭ウルシャナビに見せる場面で閉じます。
ギルガメシュの物語には、先行する五編のシュメール語作品と、それらを組み替えたアッカド語の叙事詩があります。前7世紀の洪水書板は標準バビロニア版第11書板の写本であり、物語全体が同時期に成立したことを示す品ではありません。裸の英雄が獅子や牡牛と戦う円筒印章も、銘文がなければギルガメシュと断定できない例が多く残ります。現代の象徴解釈として、このサイトでは失った友への悲しみ、避けられない死、限られた生の中で残せる仕事を考える題材とします。