神話

エンキドゥ

えんきどぅ 別名:Enkidu

意味

エンキドゥは、『ギルガメシュ叙事詩』でギルガメシュに対抗する存在として神々に造られ、やがて彼の親友となる人物です。初めは草原で動物と暮らしますが、人間の食事と衣服を受け入れてウルクへ入り、杉森と天の牡牛の戦いを共にします。彼の死が、ギルガメシュを不死の探求へ向かわせます。

解説

標準バビロニア版の第1書板では、ウルクの人々が王ギルガメシュの横暴を神々へ訴えます。創造の女神アルルは、その力に釣り合う相手として粘土からエンキドゥを造り、草原へ置きました。毛に覆われた彼はガゼルと草を食べ、水場へ通い、狩人が仕掛けた罠から動物を逃がします。都市の訴えへの答えが、都市の外で暮らす人物として生まれる構図です。

狩人はギルガメシュの指示を受け、シャムハトという女性を水場へ連れてきます。彼女と過ごした後、動物たちはエンキドゥから遠ざかり、彼は以前の速さを失う一方で知恵を得たと物語は述べます。シャムハトは衣服を分け、牧人の集落ではパンとビールの食べ方を教えました。やがてエンキドゥはウルクでギルガメシュと格闘し、互いの力を認めて友人になります。

二人は杉森の守護者フンババを倒し、続いて天の牡牛を討ちます。神々は二度の殺害に対する裁定を下し、エンキドゥは病に倒れました。彼の死を受け入れられないギルガメシュは、自分にも死が訪れると悟り、洪水の生存者ウトナピシュティムを探す旅へ出ます。友情と死が叙事詩の後半を動かす転機になります。

先行するシュメール語の物語では、エンキドゥはギルガメシュの従者や同行者として登場します。アッカド語の叙事詩は彼を王に釣り合う分身として造形し、二人の友情を物語の中心に置きました。古代美術の裸の英雄像をエンキドゥと断定できない例も多く、文章上の人物像と作品の同定は分けて考える必要があります。現代の象徴解釈として、このサイトでは野と都市の間で得たものと失ったもの、友情によって変わる生き方を考える題材とします。