石
他形
たけい 別名:anhedral・xenomorphic・allotriomorphic意味
他形は、鉱物粒子の外側に、その鉱物固有の結晶面がほとんど発達しない状態です。周囲の粒子や残された空間に沿う不規則な輪郭を示しても、内部の結晶構造と鉱物種は保たれます。
解説
鉱物の外形は、結晶面の発達度によって自形、半自形、他形に分けられます。全面を明瞭な結晶面が囲むものが自形、一部に結晶面が残るものが半自形、ほとんど結晶面を示さないものが他形です。この分類は粒子の輪郭を記載する語で、柱状や板状といった晶癖、内部の原子配列を示す結晶構造とは役割が違います。
岩石の中では複数の鉱物が同じ空間で成長します。先に育った粒子や隣接する粒子に囲まれると、後から広がる鉱物は自由な結晶面を作る空間がなく、残った隙間の形を埋めます。このような競合成長は他形粒子ができる一つの経路です。ただし、外形は溶解、再結晶、変形でも変わります。結晶化の順序を判断するには、他形という特徴に加えて周囲の組織も検討します。
薄片観察では、三次元の粒子を二次元の断面として見ます。断面に結晶面が現れない場合でも、別の向きには面が残っている可能性があります。また、劈開は結晶内部の弱い方向に沿う割れ目であり、粒子の外縁を囲む結晶面とは別の特徴です。輪郭、周囲との接触、劈開、鉱物の光学的性質を分けて記録すると混同を減らせます。
他形の石英も、化学組成と内部構造は石英です。鉱物名の判定には、外形に加えて色、硬度、劈開、屈折率、薄片での干渉色、化学分析などを目的に応じて組み合わせます。他形は、岩石組織と成長環境を読むための中立的な記載です。欠陥や低品質という評価とは切り分けます。
周囲と接しながら残された空間へ形を合わせる姿から、他形を制約への適応や役割の調整へ重ねることがあります。これは結晶成長から導く現代的な比喩です。占いでは、本人の性質が変わったのか、外側の役割だけを合わせているのか、自由に形を作れる空間はどこに残っているかを分けて尋ねられます。不規則な輪郭が示すのは、粒子が周囲と接して成長した条件です。そこから、どの制約へ適応したかという問いを導けます。