石

固溶体

こようたい 別名:solid solution・mixed crystal・混晶

意味

固溶体は、複数の成分が一つの結晶相に入り、基本となる結晶構造を保ちながら組成を変えられる固体です。鉱物では、同じ結晶学的位置を性質の近いイオンが置き換えることで、二つ以上の端成分の間に組成幅が生まれます。オリビンは、マグネシウム端成分と鉄端成分の間で組成が変わる代表例です。

解説

結晶相は、同じ構造と性質をもつ均一な領域です。固溶体では、別成分の原子やイオンが母体の格子点へ入り、結晶全体に分布します。取り込まれやすさはイオンの大きさと電荷に左右され、電荷が異なる置換では別の位置も同時に変わることで釣り合います。こうした結晶構造と形成条件が、各成分を取り込める範囲を決める仕組みです。

端成分は、系列の組成を表すために置く理想化された基準です。端成分の間をすべて一つの相として結べる系列を完全固溶体、途中に溶け込めない範囲がある系列を不完全固溶体と呼びます。固溶限は、一つの結晶相に成分が入れる上限です。温度や圧力が変わって固溶限を越えると、一相だった結晶から組成の異なる相が分かれることもあります。

オリビンの理想式は(Mg,Fe)2SiO4です。マグネシウムに富むフォルステライトMg2SiO4と、鉄に富むファヤライトFe2SiO4を端成分とし、同じ結晶学的位置をMg2+とFe2+が置き換えます。実際の粒子はFoとFaのモル百分率で組成を表せるため、鉱物名だけでは分からない成分比を電子線マイクロアナライザーなどで測定します。

置換による組成差は、色、屈折率、比重などの物性へ影響する要因です。見た目から推定できるのは大まかな傾向までで、端成分の割合は化学分析で測ります。色を生む微量元素や欠陥が格子へ入るサファイア、ルビー、エメラルドなどは、発色と固溶の関係を示す例です。鑑別では、結晶構造を示すデータと化学分析を組み合わせ、単一相か、別相の包有物や離溶組織を含むかも分けて考えます。

一つの構造に組成の幅があることから、固溶体を枠組みの中の配分へ重ねることがあります。これは結晶相と成分比から導く現代的な比喩です。占いでは、予算、作業時間、担当人数の合計を固定し、その内訳をどこまで動かせるか、上限を越えると何を分ける必要があるかを考える視点になります。鉱物の組成幅は物質の性質です。人の属性や相性へ重ねる場合は、文化的な比喩の範囲です。