占星術
固有運動
こゆううんどう意味
固有運動は、恒星の空間運動のうち、太陽系から見て天球上を横切る成分です。星表では、位置の基準日(基準元期)における赤経・赤緯方向の変化量を、通常は一年あたりのミリ秒角または秒角で示します。
解説
恒星は三次元の空間を動く天体です。太陽系から見たその動きは、空を球面として表した天球に沿う横方向と、観測者へ近づく・遠ざかる視線方向に分けられます。横方向の角変化が固有運動で、視線方向の速さは視線速度という別の量です。
星表には、空の経度・緯度に当たる赤経・赤緯について、赤経方向の固有運動を「μ_α*」、赤緯方向を「μ_δ」として載せる形式があります。Gaiaでは、一秒角の1000分の1に当たるミリ秒角/年が標準的な単位です。μ_α*の星印は赤緯に応じた補正を含む値であることを示します。別の日付へ換算する際は、基準元期からの経過年数と二方向の変化量を使い、星表の座標系と単位もそろえます。
年周視差は、地球が太陽の周囲を移動することで近い恒星の見える方向が一年周期で変わる現象です。歳差は、地球の自転軸や座標基準の向きが長期的に移る現象を指します。固有運動は星ごとに方向と速さが異なる長期的なずれです。三つは原因が異なるため、現在位置を求める計算では個別の補正として組み合わせます。
恒星の三次元の速度を求めるには、固有運動に距離と視線速度を加えます。占星術で固定星との合を狭いオーブで調べる場合は、信頼できる星表と指定日の計算を用い、基準元期と座標設定を残します。ここまでが位置をそろえる計算です。その配置を人物像や出来事へ結び付ける部分は占術上の解釈なので、実際の経過と分けて検討します。