神話

ブーリ

ぶーり 別名:Buri・Búri

意味

ブーリは、『散文のエッダ』の創世譚で、雌牛アウズンブラが塩気のある氷を舐めた末に姿を現す人物です。息子ボルの父であり、オーディン、ヴィリ、ヴェーの祖父に当たります。

解説

ブーリが現れるのは、火と氷の作用からユミルとアウズンブラが生じた直後です。アウズンブラは自分の食物として塩気のある氷の塊を舐め、その中から人の姿を現します。雌牛の出産は描かれず、舐める動作が身体を段階的に見える形へ変えました。

舐め始めた日の夕方には男の髪、二日目には頭、三日目には全身が現れます。完成したブーリは、容姿が美しく、大きく力強い人物と説明されました。この三日間の順序によって、ブーリは少しずつ輪郭を得る祖先として印象づけられます。

『散文のエッダ』は、ブーリにボルという息子がいたと続けます。ボルは巨人ボルソルンの娘ベストラと結ばれ、二人の子がオーディン、ヴィリ、ヴェーです。資料が伝えるブーリの家族関係は父子の線が中心で、ボルの母やブーリの伴侶は示されていません。

氷から祖先が姿を得る場面は、潜在していた生命や始まりの象徴として読むことができます。ただし、これは物語の動きから導く後世の解釈です。現存資料でブーリに割り当てられる独立した冒険や祭祀上の職能は乏しく、創世系譜の最初の祖先という位置を先に押さえる必要があります。