象徴
フタロブルー
ふたろぶるー意味
フタロブルーは、銅フタロシアニンを主成分とする二十世紀の合成有機青色顔料です。Colour Indexでは主にPigment Blue 15(PB15)に属し、わずかな量でも強く色が出るため、絵具、インキ、塗料の色調を大きく動かします。
解説
銅フタロシアニンは、窒素を含む大きな環状構造の中心に銅がある化合物です。フタロシアニンという語は、この構造をもつ色材の系統名を指します。水や油へ溶けにくい粒子なので、絵具やインキでは、油、樹脂、アラビアゴムなどの結合材が粒子を表面へ留めます。
銅フタロシアニンは一九三〇年代前半に開発され、顔料としては一九三五年に販売されました。この時期より前の作品からフタロブルーらしい青が見つかった場合は、後の加筆、修復、作品の制作年の再検討など、複数の可能性を資料と分析で確かめます。青い見た目だけから制作年代を決めることはできません。
PB15は、国際的な色材の分類で用いるColour Index名です。同じPB15系でも、結晶の形、粒子の処理、ほかの顔料との混合によって、赤みを感じる青から緑みを感じる青まで色調が変わります。製品名のフタロブルーだけでは、特定の色相や透明度を一つに定められません。
着色力が強いとは、少量を混ぜても配合全体の色を大きく変える性質です。白や黄と混ぜた色を読む時は、青がどのくらい入っているか、下地が何色か、結合材が何かを並べます。色の印象は顔料名だけで決まりません。
分析では、蛍光X線分析で銅が分かっても、銅フタロシアニンだけを示すとは限りません。ラマン分光、赤外分光、顕微鏡観察、制作記録を照らし合わせると、PB15の可能性をより具体的に検討できます。保存修復の記録では、元素、分子構造、層の順序を別の情報として残します。
占いや創作でフタロブルーを使うなら、少量で画面の色関係を変える性質から、目立たない選択が全体へ及ぼす影響を考える比喩にできます。これは画材の働きから広げた表現上の読みです。青に固有の感情や未来を保証する意味にはしません。