象徴

ウルトラマリン

うるとらまりん

意味

ウルトラマリンは、天然ではラピスラズリから青い鉱物成分を分けて得る、または近代以降は合成でも作られる青色顔料です。天然品と合成品では由来と作り方が異なるため、青い見た目だけで同じ材料と決めません。

解説

ラピスラズリは、ラズライトを主な青い成分とし、白い方解石や金色に見える黄鉄鉱なども含む岩石です。天然ウルトラマリンは、この石を砕き、青い粒をほかの鉱物から選り分けて作ります。顔料の名前は中世ラテン語で「海の向こう」を意味する語に由来し、遠方から運ばれた石との関係を残しています。

歴史的な製法では、粉にしたラピスラズリをロウ、樹脂、油と混ぜ、弱いアルカリ性の水の中で練ります。青い粒が水へ出る一方、方解石や黄鉄鉱などは粘りのある塊に残るため、最初に得る深い青ほど少量で高価でした。これは天然顔料を精製する工程の説明であり、すべての青い絵具が同じ手順で作られたという意味ではありません。

一八二八年には合成ウルトラマリンが作られ、十九世紀には商業的な青色顔料として広がりました。合成品は、天然の石を原料にしなくても深い青を得られるようにした材料です。天然品と合成品はどちらも硫黄を含むアルミノケイ酸塩系の青ですが、保存調査では、元素の検出だけで由来を区別できない場合があります。粒子の観察、赤外分光、制作年代、記録を組み合わせて検討します。

ロンドンのナショナル・ギャラリーは、ラファエロの作品で、アフガニスタン産ラピスラズリから作る高価な天然ウルトラマリンが聖母の青い衣の仕上げ層に使われたことを紹介しています。ただし、青い衣があれば必ずウルトラマリンとは限りません。作品ごとの材料調査と、どの層に使われたかが判断の根拠になります。

占いや創作でウルトラマリンを読むなら、遠方の石から青を取り出す工程を手掛かりに、すぐには見えない条件を丁寧に確かめる問いへつなげられます。これは画材史から広げた表現上の読みです。顔料そのものが距離、権威、将来を決めるという事実にはしません。