石
十字石
じゅうじせき 別名:Staurolite意味
十字石は、鉄、アルミニウム、ケイ素などを含む鉱物で、褐色の柱状結晶が特徴です。結晶同士が規則的な向きで組み合わさる「双晶」の中に、十字形に見えるものがあります。
解説
十字石の双晶では、柱状の結晶が互いに貫き合うような形を作ります。代表的なのは約60度で交わる型で、約90度の十字形も知られています。一本の柱として見つかる結晶もあり、十字形は十字石の外観の一つです。
十字石は、泥質の岩石が熱や圧力を受けて変化した変成岩に産します。こうした変化を変成作用といい、元の岩石の成分や温度・圧力の条件に応じて新たな鉱物ができます。十字石の産出は、周囲の岩石が受けた変成作用を調べる手掛かりです。
似た十字模様をもつ石に、紅柱石の一種であるキアストライトがあります。こちらは、結晶内部に取り込まれた炭質物などが断面に十字模様を作るものです。十字石では結晶同士の組み合わさり方、キアストライトでは内部の物質の並び方が、十字に見える理由になります。
米国バージニア州のフェアリーストーン州立公園には、キリストの死を悲しんだ妖精の涙が石の十字になったという伝承があります。この地域では、十字形の石が幸運のお守りとして親しまれてきました。物語は人々が石に託した信仰や願いを伝えるものであり、石が災難を防ぐ効果を裏付ける資料とは区別されます。