神話

ヘラクレスの選択

へらくれすのせんたく

意味

ヘラクレスの選択は、青年期の英雄が、徳と悪徳を人の姿にした二人の女性から、労苦を通る生き方と安楽な生き方を示される寓意です。ヘラクレス、二人の女性、分かれる道や岩山が主題を見分ける手がかりになります。

解説

クセノポンの『ソクラテスの思い出』第2巻では、成人へ移るヘラクレスが、どちらの生き方を選ぶか考えていると二人の女性が現れます。悪徳は労苦を避けて快楽を得る近道を勧め、徳は神々や友人、国家から善いものを得るには相応の努力が要ると説きます。物語の中心は、これからどのように生きるかという判断です。

原典の徳は白い衣をまとい、慎み深い姿で描写されます。悪徳は華美な装いで急いで近づき、友人からは「幸福」と呼ばれると名乗りました。二人は外見と発言の両方で、選ぶ生き方の違いを示します。

プッサンの絵では、若いヘラクレスが棍棒と獅子皮を持ち、白い衣の徳が険しい道を指し、悪徳が花と明るい谷を示します。棍棒と獅子皮は英雄の身元を示すアトリビュートで、二本の道は生き方の違いを可視化した構成です。怪物が登場する十二功業と異なり、二人の女性が示す方向から場面を特定できます。