神話

ディアナとカリスト

でぃあなとかりすと

意味

ディアナとカリストは、ゼウス(ローマ名ユピテル)から性暴力を受けて妊娠したニンフのカリストが、ディアナの一行に身体をさらされ、仲間から追放される神話図像です。服を引かれて抵抗する女性、膨らんだ腹、指を向けるディアナ、弓や犬が場面の手がかりになります。

解説

オウィディウスの『変身物語』では、ゼウスがディアナの姿を借りて近づき、信頼させた後にカリストへ性暴力を加えます。妊娠を隠していたカリストは、仲間との水浴で服を脱ぐことを拒みますが、ニンフたちに衣を外されました。身体が露出すると、ディアナは彼女を一行から追放します。

ティツィアーノの《ディアナとカリスト》では、ニンフたちがカリストを押さえて服を引き、右端のディアナが彼女を指さします。涙、抵抗する姿勢、膨らんだ腹は、妊娠の発覚と排除を同時に伝える要素です。裸体の美しさだけに注目すると、欺き、性暴力、強制的な露出という物語の核心が薄れます。

オウィディウスの物語は、アルカスを産んだカリストがユノによって熊へ変えられ、成長した息子に殺されかけたところを、ゼウスが母子を星座へ移す場面まで続きます。熊へ変える者は伝承ごとに異なり、星座化もおおぐま座をめぐる複数の起源譚の一つです。