神話

ディアナとアクタイオン

でぃあなとあくたいおん

意味

ディアナとアクタイオンは、狩人アクタイオンが水浴中のディアナ(ギリシャ名アルテミス)とニンフたちに出会い、鹿へ変えられて自分の猟犬に殺される神話図像です。水辺の女神群、弓や矢筒を持つ狩人、鹿の角、犬が、発見から死までのどの段階かを示します。

解説

オウィディウスの『変身物語』では、昼の狩りを終えたアクタイオンが森をさまよい、偶然ディアナの水浴場へ入ります。女神が浴びせた水によって鹿へ変わると、人の言葉を失い、主人と気づかない猟犬の群れに倒されました。物語の冒頭で、語り手はアクタイオンに罪があったという見方を退け、この遭遇を運命の巡り合わせとして位置づけています。

ティツィアーノの《ディアナとアクタイオン》は、狩人が垂れ幕の奥にいる女神たちを見つけ、驚いて弓を落とす瞬間を選びました。画面内の鹿の頭骨や獣皮、猟犬は、やがて起こる変身と死を予告します。この作品が示すのは遭遇の場面であり、猟犬に倒される結末は別作品《アクタイオンの死》へ続きます。

アポロドーロスは、女神の水浴を見たためという説に加え、アクタイオンがセメレに求婚してゼウスの怒りを買ったという異伝も伝えました。「覗き見への罰」だけでまとめると、偶然というオウィディウスの設定や異伝が抜け落ちます。一画面に発見、鹿への変身、猟犬による死が並ぶ作品では、同じ人物の反復と配置が、発見から死へ進む連続叙述の順序を示します。