神話
トロイの木馬
とろいのもくば意味
トロイの木馬は、ギリシャ軍が兵士を隠した巨大な木製馬を残し、トロイア人が城内へ運ぶ場面を描く神話図像です。木馬、車輪や引き綱、城門、槍を向けるラオコーン、警告するカッサンドラが策略の進行を示します。
解説
ウェルギリウスの『アエネーイス』第2巻では、ギリシャ軍が選ばれた兵士を木馬へ隠し、艦隊をテネドス島へ退避させます。残ったシノンは、木馬をミネルヴァへの奉納物だとトロイア人へ偽りました。祭司ラオコーンは木馬を疑って槍を投げ込みますが、その後に海から来た二匹の蛇に息子たちとともに襲われます。人々はその死を神罰と受け取り、木馬へ車輪と綱を付けて城内へ運びました。
その夜、シノンが木馬を開くと兵士たちが降り、テネドス島から戻った軍を招き入れます。昼の行列は勝利を祝うように見えても、その先に待つのは夜襲とトロイアの陥落です。ラオコーンやカッサンドラの警告を同じ画面に置く作品では、祝祭の現在に破局の予告が重なります。
ジョヴァンニ・ドメニコ・ティエポロの1760年頃の《トロイの木馬のトロイ入城行列》では、群衆が巨大な木馬を城内へ引き、遠景でカッサンドラが捕らえられています。高い城壁と奥へ続く道は、行列の進行先を画面上で示す要素です。「疑わしい贈り物」という教訓へ進むには、シノンの偽りと夜襲の結末を物語として補う必要があります。