神話
ラオコーン群像
らおこーんぐんぞう意味
ラオコーン群像は、トロイアの祭司ラオコーンと二人の息子が、二匹の大蛇に巻きつかれる姿を表した大理石彫刻です。中央の父、両脇の息子、三人の体を結ぶ蛇の胴が、群像を見分ける手がかりになります。
解説
古代ローマの叙事詩『アエネーイス』では、ラオコーンはギリシャ軍が残した木馬を疑い、槍を突き立てます。その後、海を渡ってきた二匹の蛇が、祭壇のそばにいた息子たちと父を襲いました。トロイア人は死を木馬への攻撃に対する罰だと受け取り、木馬を城内へ運びます。
群像の中央には大きなラオコーン、左右には息子が置かれています。父は蛇の胴を手で引き離そうとし、ねじれた姿勢と緊張した筋肉が、三人の苦しみを一つの塊にまとめます。木馬が描かれていなくても、父子と二匹の蛇がそろえば、ラオコーンの物語を見分けられる構成です。
古代ローマの著述家プリニウスは、皇帝ティトゥスの宮殿にあった群像を、ロードス出身のアゲサンドロス、ポリュドロス、アテノドロスの共同作と記しました。現存する群像は1506年にローマのエスクイリーノ丘で発見され、プリニウスが記した作品と同定されました。教皇ユリウス2世は群像を購入し、ヴァチカンの彫刻コレクションに加えます。制作年代には議論があり、ヴァチカン美術館は紀元前40〜30年頃を有力としています。