占星術
IAU星座境界
あいえーゆーせいざきょうかい意味
IAU星座境界は、全天の各点を88星座のどれか一つへ割り当てる、赤経・赤緯で定めた公式の区画線です。星を結ぶ図柄と区別され、天体がどの星座区域にあるかを分類する境界です。
解説
国際天文学連合は1922年に、全天を覆う88星座の名称と三文字略号を採択しました。境界線はウジェーヌ・デルポルトがまとめ、1928年に承認され、1930年に星図とともに刊行されました。既に各星座名で呼ばれていた変光星を元の区域へ残す条件もあったため、境界には細かな折れ曲がりがあります。現在「天体がオリオン座にある」と言う時は、その座標がオリオン座の境界内にあるという意味です。
原境界は、1875年分点・赤道の赤経線と赤緯線に沿って定められました。CDSのカタログには、このB1875の原データと、歳差を反映してJ2000座標へ変換した星図用データがあります。歳差とは、地球の自転軸の向きが長い時間をかけて変わり、座標格子が移る現象です。J2000の図では補間点が増え、境界が現在の赤経・赤緯線と平行に見えない部分も生じます。星図を再現する時は、境界データと天体座標の基準時点をそろえます。
IAUが公式に定める対象は空の区域です。星を結ぶ線や人物・動物の絵柄は資料ごとの表現に当たり、同じ星座にも複数の描き方があります。また、一つの星座に見える恒星も地球からの距離が互いに異なります。境界内にあることと、物理的な集団を作ることは別の条件です。星座名は、位置を共有する空の区域を指します。
天文学上の黄道星座は大きさが不均等で、黄道はへびつかい座も横切ります。占星術の十二サインは、黄道を30度ずつに分ける座標区分です。そのため「天文学上はおとめ座の区域にある」と「占星術では天秤座にある」は、異なる境界を使った二つの分類として両立します。IAU境界が示すのは天文学上の所属であり、そこへ性格や出来事の意味を加える読みは占術上の解釈です。