占星術
四分儀
しぶんぎ意味
四分儀は、円の四分の一に当たる90度の目盛りを使い、太陽や恒星の高度を測る歴史的な観測器具です。手に持つ小型の器具から、壁へ固定する大型の天文観測装置まで、目的に応じた複数の形式があります。
解説
携帯型の四分儀は、直線部分に付いた照準を天体へ向けて使います。直角の頂点から垂らした重り付きの糸が「下げ振り」で、重力に沿った鉛直方向を示す仕掛けです。観測者は、糸と90度の弧が交わる位置から、地平線と天体の間の角度である高度を読み取ります。器具によっては、時刻や太陽の通り道を表す曲線が刻まれており、高度と日付を曲線に照らせば時刻を求められます。高度を別の表や計算と組み合わせて緯度を導く用途もありました。
壁面四分儀は、南北方向に沿った垂直な壁へ大きな90度の弧を固定し、天体が子午線を通過する瞬間の高度を測ります。器具を大型化すると弧へ細かな目盛りを刻みやすく、据え付けを安定させられるため、恒星位置の反復観測に適していました。16世紀のティコ・ブラーエは、望遠鏡が発明される前に大型四分儀などを設計し、肉眼による精密な位置観測を積み重ねています。18世紀には、弧の中心で回転する望遠鏡を備えた壁面四分儀も使われました。
四分儀が直接示すのは、観測地点から見た天体の高度です。観測時刻や緯度と組み合わせれば恒星の位置を求められ、星表や時刻測定の基礎になります。現在の出生図は、観測から整備された天体暦と出生日時・場所を使って計算するため、四分儀そのものが占星術上の解釈を示すわけではありません。