占星術
六分儀
ろくぶんぎ意味
六分儀は、二枚の鏡で二つの対象を同じ視野へ重ね、その間の角度を測る航海・測量器具です。航海では天体と海面の地平線を合わせて高度を読み、観測時刻や航海暦と組み合わせて船の位置を求めます。
解説
観測者が接眼鏡をのぞくと、半分が透明な「地平鏡」を通して地平線が直接見えます。太陽や恒星の光が目へ届く経路は異なり、可動式の「指標鏡」と地平鏡で二回反射します。指標鏡とつながるアームを動かし、反射した天体像を地平線へ重ねるのが測定時の操作です。二つが重なったとき、アームと弧が交わる目盛りが対象間の角度を示します。天体像と地平線を同じ視野で比べるので、船が揺れてもずれをとらえやすい仕組みです。
二回反射すると、光の方向は二枚の鏡がなす角度の二倍だけ変わります。六分儀の60度の弧へ約120度までの目盛りを刻めるのは、この倍角の関係を利用しているためです。名称の「六分儀」は、円の六分の一に当たる弧に由来します。用途は船上での天体高度の測定から、沿岸の二つの目標物がなす水平角の測量までに及びました。
六分儀が直接示すのは、観測地点から見た二つの対象の間の角度です。船位を求めるには、正確な時刻と航海暦の天体位置を使い、器差、目の高さ、大気差なども補正します。一回の観測で得られるのは船がいる位置の線なので、別の観測や推測位置と組み合わせます。現在の出生図は、出生地の座標、出生日時、天体暦から計算するため、六分儀そのものは用いません。