占星術
ヴィンデミアトリックス
ゔぃんでみあとりっくす 別名:Vindemiatrix意味
ヴィンデミアトリックスは、乙女座ε星に付けられた固有名です。見かけの等級は2.85で、約108光年先にある黄色いG型巨星です。乙女座の北側に位置します。
解説
SIMBADはヴィンデミアトリックスをG8型の巨星に分類しています。巨星は、中心部の水素を主な燃料とする段階を終え、外層が膨らんだ恒星です。見かけの黄色は表面温度に対応する性質で、葡萄や収穫の伝承から生じた色ではありません。
名称の来歴は、単純なラテン語訳ではありません。プトレマイオスの星表にあるギリシャ語Protrygeter(葡萄を摘む者)が、ローマでは男性形のVindemiatorなどに訳されました。現在の女性形Vindemiatrixがどの形から成立したかは確定しておらず、ルネサンス期から用例が確認されています。国際天文学連合は2016年、この綴りを乙女座ε星の固有名として承認しました。
古代ローマの博物誌家プリニウスは、この星の朝の出現を葡萄が熟す徴として農事暦に記しました。朝の出現とは、太陽に近く見えなかった星が、日の出前の東空に再び現れることです。見える時期は観測地や大気の状態に左右され、歳差によって太陽との位置関係も長い年月のうちに変わります。
プトレマイオスはヴィンデミアトリックスへ土星と水星に似た性質を配しました。固定星占星術で収穫、選別、時機を読む時は、この分類と農事暦の名称史が根拠になります。G型巨星という観測上の分類が、占術上の解釈を裏づけるわけではありません。