象徴
色彩象徴
しきさいしょうちょう 別名:colour symbolism・color symbolism・色の象徴意味
色彩象徴とは、ある色を感情、身分、宗教、季節、行為などの意味へ結び付ける文化的な約束や表現です。その意味を形作るのは、色が置かれた対象、場面、時代、地域です。
解説
色彩象徴を読む第一段階では、何がどのような色で示されているかを記録します。色相、明暗、鮮やかさ、面積、位置、隣り合う色に加え、衣服、旗、花、血、光など色を担う対象までが観察項目です。同じ赤でも、祝祭の布、交通標識、傷口では制度と出来事が変わるため、意味の候補も分かれます。観察できる色と物を先に示し、その結び付きを支える資料や慣習を次に述べると、図像上の事実と解釈を分けられます。
ウォンとウェストランドは、五十四の画像を用いた実験で、周囲の文脈が色の意味判断を変える例を報告しました。文脈による変化は単純化したシルエット画像の二八%に対し、実写画像では四三%で見られています。また、ヨナウスカイテらが三十か国、二十二言語、四千五百九十八人を調べた研究では、色と感情の結び付きに国を越えて共有される傾向がある一方、国、言語、地理的条件による差も表れました。これらの結果は、色と感情の連想に共有傾向と地域差が共存することを支えます。
制度が色の意味を定める例として、カトリック教会の『ローマ・ミサ典礼書の総則』は、祭儀と典礼暦の性格を外から示すために祭服の色を用い、白、赤、緑、紫などを機会別に規定しています。色と意味の対応を支えるのは、文書化された儀礼上の慣習です。この対応の適用範囲は、カトリック教会の当該儀礼と典礼暦です。作品の制作地と年代、用途、注文主を照合して初めて、制度的な色彩象徴との関係を検討できます。
カードや図版を解釈する時は、色の観察、作品内での役割、同時代の慣習、占術上の読みを順に分けます。たとえば赤い衣服が画面の焦点を作ることは構図上の事実です。そこから情熱、危険、地位のどれを読むかは、人物の動作、周囲の物、物語、文化資料によって絞り込みます。裏付ける資料が見つからない時は、構図から生じる注意の強さと、複数ある象徴候補を別々に示す方が正確です。