象徴

色相

しきそう 別名:hue・ヒュー・色み

意味

色相とは、赤、黄、緑、青など、色みの種類を区別する知覚上の属性です。明るさを示す明度や、鮮やかさに関わる彩度とは役割が異なり、隣り合う色相を環状に並べた図が色相環です。

解説

CIEは色相を、ある面が赤、黄、緑、青、または隣り合う二つの組み合わせに似て見える知覚属性と定義しています。赤、黄、緑、青は、ほかの色相名を借りずに表せるユニーク色相です。その間には黄赤、黄緑、青緑、青赤などの移行が続きます。日常の色名は、その連続した範囲を文化や用途に応じて区切る言葉です。同じ「青」でも、どこまでを青と呼ぶかは色見本や命名体系によって変わります。

測色では、知覚された色相に対応する値を色空間の中で表します。CIELABでは、基準白色に対する明度の指標L*と、赤緑方向のa*、黄青方向のb*から色を記録し、a*とb*の位置から色相角を求めます。色相角は指定した色空間と測定条件に属する数値です。照明、標準観察者、基準白色、観察幾何を添えることで、別の測定と比較できる記録になります。色相名は言葉による分類、色相角は測色モデル上の指標として読み分けます。

色相は、単一波長との一対一対応から外れる知覚属性です。主波長を一定にして色刺激の純度を下げると色相が変化する例を、CIEはアブニー現象と呼びます。一方、色度一定の光も、明所視の範囲で輝度によって色相が移り、こちらはベツォルト・ブリュッケ現象です。背景による同時対比も色相の見えへ影響します。そのため図版の比較では、色相とともに明度、鮮やかさ、背景、照明、表示機器を記録すると、変化の由来を追いやすくなります。

色相から象徴を読む時は、観察した事実と文化的な連想を二段階に分けると整理できます。最初の段階は、色の位置、面積、明暗、周囲との対比、描かれた物の観察記録です。次の段階で、植物の緑、血の赤、宗教衣装の色といった具体的な対象や歴史的用途から意味を検討します。感情や吉凶の判断には、色相に加えて対象と歴史的背景の裏付けが必要です。色相環は色相の隣接関係を示す図、明度は白く見える面との比較で判断する明るさ、彩度は色みの強さに関わる属性です。