象徴
十字
じゅうじ 別名:cross・cross symbol・十字形・交差形意味
十字とは、二本の線や帯が交わり、四方向へ伸びる形です。幾何学的な印、キリスト教の十字、紋章の図案、タロット配置の名称では由来と用途が異なるため、腕の長さと向き、円や人物の有無、置かれた場面を先に見分けます。
解説
十字は、四本の腕が等しい形、縦の腕が長いラテン十字、T字形のタウ十字、斜めに交わるサルタイアなどに分かれます。図像学の出発点は、形の意味を固定する前に、周囲の人物、文字、道具、制作された文化と時代から主題を特定することです。キリスト教美術では、十字がキリストの磔刑と救済を指す場合があり、キリストの身体を伴う十字架像を英語でcrucifixと呼びます。同じ交差形でも、紋章、道路標識、方位を示す線は、それぞれ別の規則と目的を持つ印です。
ライダー・ウェイト版の女教皇では、胸元に白い十字が見えます。審判では、天使が掲げる白い旗に赤い十字が描かれています。いずれもカード画像から確かめられる図像上の事実です。アーサー・エドワード・ウェイトは『タロット図解』で、女教皇の胸の印を大きな太陽十字、吊るされた男を支える木の形をタウ十字と記しました。作者の記述は図像の設計を知る一次資料になりますが、相談ごとの結論を一つに定める指示とは役割が異なります。
占術では、交わる二軸から、複数の条件が一点で重なること、進む方向を選ぶこと、外側の出来事と内側の考えを照らし合わせることへ連想を広げられます。ここから先は形に基づく占術上の解釈です。読む時は、まずどの種類の十字がどこにあるかを言葉にし、次にカード内で人物の姿勢や動作と十字がどう配置されているかを具体的に述べます。その上で、相談者の状況に重なる条件があるかを尋ねれば、歴史的な宗教象徴と現代の比喩を分けた読みが組み立てられます。
紋章十字は、盾や旗に置く十字を腕の形や端部によって分類する項目です。ケルト十字は、円環を伴う石造十字の名称として使われる一方、タロットでは十枚のカードを置く展開法の名称にもなります。北十字は、はくちょう座の明るい星を結んで見立てた十字形です。三つの関連語は同じ交差形を共有しますが、紋章、宗教美術と占術、星の並びで成立の仕方が異なります。